【ヨガの太陽礼拝とは？効果やポイント】AとBのやり方をイラストで解説

太陽礼拝とは？

太陽礼拝はサンスクリット語で「スーリヤ・ナマスカーラ」Surya Namaskar と言います。

• スーリヤは、太陽、太陽神
• ナマスカーラは、礼拝、挨拶の意味です。

太陽礼拝では、呼吸に導かれるようにして、連続したポーズをリズミカルにとっていきます。

太陽信仰から生まれた太陽礼拝

人類は何千年にもわたり、太陽に敬意を払ってきました。

特に農耕文化では、農作物が生きるための生命線ですから、多くの人が太陽を生命の源と考えています。

すべての生きとし生けるものに降り注ぐ「光のエネルギー」を与えてくれる太陽へ

自分のすべてを捧げ、力を授けてくれるように祈願し、ポーズをとっていきます。

太陽礼拝のポーズの種類

太陽礼拝のポーズA

一番有名なのは、太陽礼拝のポーズAです。

ポーズ練習の冒頭に、ウォーミングアップとして行われることが多いです。

初心者から上級者まで幅広く行えますが、安全に行おうとすると意外と難しかったりします。

ヨガが目指すゴールは「穏やかで満たされた心を養うこと」です。

焦らず、一つひとつのポーズを単体で行えるようになってから、のんびりとチャレンジするのが良いでしょう。

太陽礼拝のポーズB

Aに比べてステップの数が多く、負荷も強くなるので全体的な効果がアップします。

ただ、一つひとつのポーズの難易度はそれほど高くないので、ポイントを押さえてチャレンジしたいポーズ。

自分に合わせたペースで、心地よく行なうと良いでしょう。

太陽礼拝の効果5つ

太陽礼拝を行うと、次のような効果が期待できます。

今回は、5つピックアップしました。

(1)脂肪燃焼

体のあらゆる部分に働きかけて、血流を良くし、代謝も上げてくれます。

定期的に行えば、脂肪燃焼効果が期待できるでしょう。

(2)冷えやむくみの改善

健康に重要な役割のある背骨と、全身の筋肉を動かすことで、血液やリンパの流れが良くなります。

冷え性やむくみに効果的。

(3)より深い呼吸ができる

肺周りの筋肉がほぐれ、より深い呼吸ができるようになるでしょう。

(4)頭がスッキリ！やる気がみなぎる

太陽礼拝は、呼吸と連動させてポーズを行うので、脳に酸素が行き渡り、頭もスッキリとしてきます。

朝からだるい、やる気が出ないという方は是非チャレンジしてみてください。

習慣にすると、コーヒーやCBDを摂取するような感じで、仕事や勉強モードへの切り替えが上手にできるようになります。

(5)直感力と集中力を高める

太陽礼拝は「動く瞑想」とも呼ばれています。

自転車や車の運転と同じで、慣れてくれば、あれこれ考えなくても体を自然に動かすことができるようになります。

自分に意識を向けて、筋肉の動きや呼吸を観察していくうちに頭の中がクリアになっていくのを感じられるはず。

太陽礼拝は、直感力と集中力を高めるのに役立つでしょう。

太陽礼拝のポーズAのイラスト解説

(1) 山のポーズ​​

1. 背筋をまっすぐにして立ちましょう。
2. 両足は腰幅程度に広げるか、そろえます。
3. 胸の前で合掌し、心を落ち着けて息をふぅ〜と気持ちよく吐きます。

マントラは、「オーム・ミットラーヤ・ナマハ」（すべての存在の友である太陽にあいさつ）

(2)太陽を仰ぐポーズ

1. 息を吸いながら両手を空に向かって、弧を描くように伸ばします。
2. 最後は無理のない程度で背中を少し反らせ、息を吸い切りましょう。

マントラは、「ラヴァーエー・ナマハ」（照らし光り輝くものにあいさつ）

(3)足と手のポーズ

1. 息を吐きながら、両腕を左右に開いて、前屈します。
2. 手の平がつかない時は、無理せずに膝を曲げましょう。

マントラは、「オーム・スーリヤーヤ・ナマハ」（活動を生み出す美しい光にあいさつ）

(4)ランジのポーズ

1. 息を吸って、右足を大きく後ろに引いてつま先を立てます。

マントラは、「オーム・バーナヴェ・ナマハ」（啓発し輝くものにあいさつ）

(5)下を向いた犬（ダウンドッグ）のポーズ

1. 息を吐きながら左足を右足の位置まで移動させます。
2. 下腹を引き締めながら、両手と背中をまっすぐに伸ばして腰を突き上げましょう。

マントラは、「オーム・カガーヤ・ナマハ」（大空を移るものにあいさつ）

(6)伏せた四つの手のポーズ

1. 腕を曲げて、体を床に近づけていきます。
2. 脇と肘は十分に内側にしめ、背面はまっすぐ、肘と肩が同じ高さになるあたりまで下げます。

マントラは、「オーム・プシュネー・ナマハ」（強さと滋養を与えるものへあいさつ）

(7)上を向いた犬のポーズ

1. 手首の外側にばかり負担がかからないように、肘から先を内側にねじって手首を安定させるのを意識すると良いです。
2. 息を吸いながら腰を下げて、上体を反らします。
3. 目線は斜め上に向けましょう。

マントラは、「オーム・ヒーランニャガルバーヤ・ナマハ」（黄金色の宇宙の自己へあいさつ）

(8)下を向いた犬（ダウンドッグ）のポーズ

1. 息を吐きながら頭を下に向け、お尻を突き上げます。
2. 視線は両足の間を見るようにしましょう。

マントラは、「オーム・マリーチャーエ・ナマハ」（暁の神にあいさつ）

(9)ランジのポーズ

1. 息を吸いながら右足を手と手の間へ移動させます。
2. 左足のつま先は立てましょう。

マントラは、「オーム・アディティヤーヤ・ナマハ」（宇宙の母アディティヤーの息子にあいさつ）

(10)足と手のポーズ

1. 左足を右足にそろえます。
2. 息を吐きながら前屈しましょう。

マントラは、「オーム・サヴィトーレ・ナマハ」（太陽の刺激するめぐみ深いものにあいさつ）

(11)太陽を仰ぐポーズ

1. 息を吸いながら上体を起こしていきましょう。
2. 腕を伸ばし、背中を少し反らせます。

マントラは、「オーム・アルカーヤ・ナマハ」（エネルギーに満ちているものにあいさつ）

(12)山のポーズ​​

1. 反らせた背中をもとに戻しながら、手は胸の前で合掌します。
2. 一息つきしょう。

マントラは、「オーム・バースカラーヤ・ナマハ」（覚醒に導くものへあいさつ）

太陽礼拝のポーズBのイラスト解説

(1) 山のポーズ​​

1. 背筋をまっすぐにして立ちましょう。
2. 両足は腰幅程度に広げるか、そろえます。
3. 胸の前で合掌し、心を落ち着けて息をふぅ〜と気持ちよく吐きます。

(2)腰掛けのポーズ

1. 息を吸いながら両膝を曲げ、両腕を下げてから、左右に開いて上げていきます。

(3)足と手のポーズ

1. 息を吐きながら、両腕を左右に開いて、前屈します。
2. 手の平がつかない時は、無理せずに膝を曲げましょう。

(4)半分起きた足と手のポーズ

1. 息を吸いながら、上体を軽く起こします。

(5)四つの手のポーズ

1. 息を吐きながら、片足ずつ後ろへ引きます。

(6)伏せた四つの手のポーズ

1. 吐く息を続けたまま、腕を曲げて、体を床に近づけていきます。
2. 脇と肘は十分に内側にしめ、背面はまっすぐ、肘と肩が同じ高さになるあたりまで下げます。

(7)上を向いた犬のポーズ

1. 息を吸いながら腰を下げて、上体を反らします。
2. 目線は斜め上に向けましょう。

(8)下を向いた犬のポーズ

1. 息を吐きながら頭を下に向け、お尻を突き上げます。
2. 視線は両足の間を見るようにしましょう。

(9)英雄のポーズI

1. 右足を両手の間に踏み込みます。
2. 息を吸いながら上体を起こし、両手を空に上げましょう。

(10)伏せた四つの手のポーズ

1. 吐く息で体を前に倒し、手を床につけます。
2. 右足を後ろに引きながら腕を曲げて、体を床に近づけていきます。

(11)上を向いた犬のポーズ

1. 息を吸いながら腰を下げ、上体を反らします。

(12)下を向いた犬のポーズ

1. 息を吐きながら頭を下に向け、お尻を突き上げます。

(13)英雄のポーズI

1. 左足を両手の間に踏み込みます。
2. 息を吸いながら上体を起こし、両手を空に上げましょう。

(14)伏せた四つの手のポーズ

1. 吐く息で体を前に倒し、手を床につけます。
2. 左足を後ろに引きながら腕を曲げて、体を床に近づけていきます。

(15)上を向いた犬のポーズ

1. 息を吸いながら腰を下げ、上体を反らします。

(16)下を向いた犬のポーズ

1. 息を吐きながら頭を下に向け、お尻を突き上げます。

(17)半分起きた足と手のポーズ

1. 息を吸いながら両手の間に両足を着地させましょう。ジャンプしても、片方ずつ移動させてもOKです。

(18)足と手のポーズ

1. 息を吐きながら、前屈します。

(19)腰掛けのポーズ

1. 息を吸いながら両膝を曲げ、上体を起こして、両手を空に上げます。

(20)山のポーズ​​

1. 息を吐きながら両膝を伸ばし、手は胸の前で合掌します。
2. 一息つきしょう。

太陽礼拝を行うときのポイント

いつ行うのがベスト？

太陽礼拝はいつ行ってもOKですが、「早朝の空腹時に行う」のがベストとされています。

夕方以降なら、月礼拝を行うのも良いでしょう。

どのくらいの速さで行うと良い？

さまざまな速度（低速、中速、高速）で太陽礼拝を練習すると、さまざまな効果が得られます。

速いペースで行えば、体の筋肉を強化し、引き締めるのに役立ちますし、

ゆっくりとした動きでは、体、心、呼吸を調和させ、瞑想的な太陽礼拝を楽しむことができます。

また、ヨガの他のポーズに準備運動として太陽礼拝を行う場合は、速いペースで行います。

それ以外の場合は、ゆっくり〜中程度のペースで行うことが多いです。 

呼吸について

太陽礼拝では息を吸ったり吐いたり、次のポーズへの移動を「呼吸と連動」して行います。

ただ、頭が混乱してしまう場合は、呼吸のことは一旦置いておいて大丈夫。

呼吸のことは考えず、ポーズに意識を向けてください。

身体が慣れてきてから、呼吸と連動させればOKです。

太陽礼拝は何回やればよい？

初心者の場合は、2クール（ 右足と左足、それぞれ2回ずつ）〜4クールから始めることが推奨されています。

左右のバランスが取れるよう、1回目と2回目でポーズの左右を変えるようにしましょう。

ご自身の身体と相談しながら心地よいと感じられる回数をトライしてみてください。

また、初心者以外なら、最低12クール以上が推奨されています。

徐々に快適に行える回数を上げ、慣れてきたら108回の太陽礼拝を一度に行えるようにもなります。

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参考文献

「YOGAポーズの教科書」綿本彰 著
「ヨガのポーズと理論がわかる本」西川眞知子 著