キャリアオイルについて教えてください。 ホホバオイルが少なくなって来たので、新しいキャリアオイルを購入しようと思うのですが、おすすめはありますか?
はい!使用する目的にピッタリのキャリアオイルを見つけましょう!近年人気が出ているオイルも含めて、特徴と選び方をお伝えしますね。
キャリアオイルとは?
アロマテラピーで使用する植物油のことを、キャリアオイルと呼びます。
エッセンシャルオイルは濃厚な液体です。
原液のまま肌につけると刺激が強すぎて、トラブルの原因になることもあります。
そこで、アロマテラピーでは、エッセンシャルオイルをキャリアオイル(植物油)で薄めてから、肌や髪の毛に使用します。
植物油にはたくさんの種類があり、単独で使用したり、または他のオイルとブレンドして使用することも可能です。
肌の乾燥や炎症に良いもの、硬くなった傷跡の組織を柔らかくしてくれるものなど、キャリアオイルには、それぞれ特徴がありますから、目的に合わせて選びましょう。
キャリアオイルはナッツや種子から抽出する植物油で、精油の成分を肌や髪に届けるだけでなく、それ自体が肌や髪に栄養を与えてくれます。
そのため、古代から、さまざまな文化において美容や薬として重宝されてきました。
キャリアオイルの選び方
キャリアオイルはたくさんの種類があり、特徴もそれぞれ違います。
キャリアオイルを選ぶ際には、以下に気を付けてください。
- 香り:キャリアオイルの中には、独特のにおいを持つもの(カメリアなど)が。エッセンシャルオイルを加えると、香りが変わってしまう可能性があります。
- 肌質:肌質によって適したオイルは違います。たとえば、オイリー肌でニキビができやすい方の場合、軽い使い心地のオイルが適しています。あなたの肌に合うものを選びましょう。
- パッチテスト:新しいオイルを使うときは、肌に合うかどうか、パッチテストをするようにしてください。
- 保存可能期間:種類によって保存期間が違います。冷暗所で保管し、開封後は早めに使用しましょう。
肌に最適なキャリアオイル7つ
ホホバオイル
無理なく肌に馴染み、す〜っと浸透していくホホバオイルは、すべての肌質の方に使用できます。
ホホバオイルは、皮膚に似た成分で浸透しやすいのが特徴の、肌に寄り添う優しいキャリアオイルです。
特に敏感肌の人にとって、ホホバオイルは低刺激で、良い選択肢になります。
10度以下になると固まるので、温めて溶かしてから使用します。
ホホバオイルは酸化しにくく、適切に保管すれば、劣化することがほとんどありません。
クレンジング、化粧水、クリーム、髪の毛や頭皮のケアなど、あらゆる用途で使える大変便利なオイルです!
最長5年は保存可能と言われていますが、3年以内の使用、開封後は6ヶ月以内の使用が推奨されています。
グレープシードオイル
グレープシードオイルは、ぶどうの種から作るビタミン豊富なオイル。
ホホバやスイートアーモンドのように、使いやすいキャリアオイルの1つです。
サラリとした使い心地ですが保湿効果もあり、すべてのスキンタイプに使用できます。
また、小じわ、しみ、そばかす対策にも。
伸びが良くて刺激も少ないですから、赤ちゃんの肌ケアにも適しています。
スイートアーモンドオイル
アロマトリートメントのプロから最も支持される、定番のオイルです。
アーモンドの種子から抽出されたオイルで、ほんのり甘いアーモンドの香りがします。
手頃な価格で、万能的に使えます。
ビタミン、ミネラル、脂肪酸、抗酸化物質など、肌に良いとされる栄養素が豊富に含まれています。
保湿の効果が高いので、特に乾燥肌の人、乾燥しやすい季節にスイートアーモンドオイルの効果を感じやすいです。
使用後は肌をしっとりとさせ、なめらかにしてくれたり、肌のトーンを明るくしてくれる効果が期待できます。
定番オイルですが、ナッツアレルギーの方、ご家族にナッツアレルギーの人がいる場合は使用しないでください。
特にナッツアレルギーの小さなお子さんがいらっしゃる場合、家族と触れ合う密度が高いですから、注意が必要になってきます。
アルガンオイル
オレイン酸とビタミンEを豊富に含むアルガンオイルは、すべての肌タイプに適しています。
モロッコの乾燥地帯、アトラス山脈だけに自生するアルガンの種子から抽出されます。
単独の使用、またはブレンドのメインオイルに向いています。
脂性肌の場合は、肌の皮脂量を調節することで、にきびや黒ずみを防ぐのに役立ちますし、
乾燥肌の場合は、保湿して、肌を柔らかくしてくれる効果が期待できます。
開封後は6ヶ月以内に使い切りましょう!
未精製 or 精製オイル?
キャリアオイルには、「精製されたオイル」と「未精製のオイル」があります。
未精製のオイルは栄養分が豊富で、それぞれの植物が持つ効果が出やすいです。
ただ、人によっては皮膚に刺激を与える天然成分も含まれているので、敏感肌の方は注意が必要になります。
▼敏感肌でないなら、以下のスキンケア効果の高い未精製オイルがオススメ。
▼ 精製オイルは、匂いと色が弱いのでエッセンシャルオイルの香りや効果を重視する時&敏感肌の方に良い選択肢です。
化粧水前のブースター(化粧水やそのあとのクリームなどの浸透を助ける)としてもおすすめですし、クレンジグやヘアオイルにと全身に使える嬉しいオイルです。
ローズヒップオイル
特徴のある香りがするローズヒップオイルは、肌を明るく均一に整え、コラーゲンの生成を助けます。
敏感肌も含めた、すべての肌タイプに適したスキンケアで人気のキャリアオイルです。
べたつかず肌の奥まで浸透するので、皮膚の再生・修復作用に使用されることが多いです。
フェイシャルにも最適!
単独にもブレンドにも向いていますが、高価なオイルなので、 他のオイルとブレンドして使うと良いかもしれません。
2015年の研究では、手術後の患者にローズヒップオイルを使用すると、傷跡の全体的な外観が改善されました。
もう治らないと思っている傷跡も、根気強く塗ってみると目立たなくなる可能性があります。
実はケガの跡が、指に残っていて…目に入る度に気になっていました。試してみようかな。
ポジティブな変化を感じられると良いですね。ただ、ローズヒップオイルは酸化しやすいですから、開封後の使用目安は3ヶ月です。冷暗所で保管し、新鮮な内に使うようにしてください。
傷跡ブレンド(ニキビ跡やケロイドに)
- ヘリクリサム6滴
- ローズマリー(CTベルベノン)7滴
- エレミ5滴
- ローズヒップオイル20ml
- タマヌオイル10ml
※『アロマテラピー精油事典』より
このブレンドを、毎日2回塗ります。組織が固くなっている時は、よく擦り込んください。
タマヌオイルは、固くなった傷跡の組織を柔らかくしたり、さまざまな皮膚疾患に効果的と言われています。漢方のような?独特な香りがあります。
アプリコットカーネル(あんず油)
軽い質感で、肌に浸透しやすいオイル。
アンズの種子から作られるオイルで、くすみや赤み、炎症のある肌に使用されます。
フェイシャルマッサージに適しています。
皮膚を柔らかくし、新陳代謝を高めてくれることから、首の周りにできるポツポツしたイボにも良いとされています。デコルテや首のマッサージにオススメです。
シーバックソーン(ヒポファン、サジー)
近年、人気が高まっているキャリアオイルで、種子または実から採取されます。
すべての肌質で使用できます。
シーバックソーンオイルは、アーユルヴェーダや中国の伝統的な医療で何千年もの間、自然療法として使用されてきました。
乾燥した肌や髪には潤いを与えてくれますし、肌のハリの改善にも。
特に、CO2抽出法のオイルは濃いオレンジ色をしていて、皮膚と粘膜に優れた効果を発揮することが分かっています。
スーパーフルーツですよね?キャリアオイルとしても使えるんですね〜試してみたいかも♡
ぜひ!他のキャリアオイルに5%ほどの割合でブレンドすれば十分ですよ。酸化が早いので開封後は早めに使い切りましょう。
髪に最適なキャリアオイルは?
ヘアケアに最適なキャリアオイルの定番は、アルガンオイル、椿油、ホホバオイルです。
- 香りが薄くてサラッとしている:アルガン、ホホバ
- 効果的な特性があるけれど、独特の香りがある:椿油
アルガンオイル
アルガンオイルは、髪に最適なキャリアオイルの1つです。
ヘアケア商品コーナーに行けば、きっとあると思います!
アルガンオイルはすべての髪質に使用でき、栄養が豊富ですが、ベタつかない性質を持っています。
ビタミンAとEが豊富で、切れ毛や枝毛を減らし、髪につやを出す効果があるとされています。
頭皮にも、髪の毛のケアにも使用できます。
エッセンシャルオイルは、ラベンダー、ローズマリー、ティーツリーとよく合います。
椿油(カメリアオイル)
日本産の植物油で、平安時代から愛されてきたオイルです。
黒くて長く、ツヤのある美しい髪を保つために使用されてきました。
独特の香りがありますが、皮膚にも優しく保湿に優れ、湿疹やアトピー性皮膚炎に使用されます。
- ドライヤーの熱、紫外線などによるダメージから髪を守る
- 髪の強度を高める
- 髪に潤いとツヤを与え、抜け毛や白髪を予防する
- 毛穴の老廃物を排出しフケやかゆみを防ぐ
海外では日本人の美しさの秘密と表現されることもあります。なんとなく、椿油は古いイメージがあるかもしれませんが、今も昔も変わらずに、私たちの美しさをサポートしてくれています。
ホホバオイル
ホホバオイルは、皮脂のバランスを整えて、抜け毛、フケ、かゆみなどに効果的とされます。
ホホバオイルは髪の表面に吸着して、乾燥やダメージから髪を守ります。
なかなか届きにくい、縮れた髪の毛の表面の水分を閉じ込めるのに最適です。
ただ、より深くまで浸透させたい場合には、「ココナッツオイル」や「アルガンオイル」などをブレンドすると良いでしょう。
髪のお悩み別!キャリアオイル
それでは、髪のお悩み別にオススメのキャリアオイルを紹介します。
先ほどご紹介した定番オイルに、目的に合わせて、1〜2割ほどブレンドするのも良いです!
ダメージヘアに
- ココナッツオイル:分子が小さく浸透しやすい、精油を加える時は湯煎で溶かします
- アボカドオイル:髪の強化に。癖があるのでメインのオイルに1割くらいでブレンドするのが◎
- スイートアーモンドオイル:なめらかで、スタイリングしやすい髪に
乾燥・パサつきに
- モリンガオイル:アーユルヴェーダで使用されてきたオイル。浸透力に大変優れています
- キャスターオイル(ヒマシ、トウゴマ):最も粘度の高いオイルなので、ベタベタしますが、パサつきには◎
- 月見草油(イブニングプリムローズ):髪に潤いを与え、髪の成長をサポート
ベタつきに
- グレープシードオイル:頭皮を落ち着かせる、ふけの予防に
- アルガンオイル
- ホホバオイル
- アプリコットカーネルオイル:抜け毛を防ぎ、頭皮の健康を保つ
参考文献
Sea Buckthorn in Plant Based Diets. An Analytical Approach of Sea Buckthorn Fruits Composition: Nutritional Value, Applications, and Health Benefits Anca-Mihaela Gâtlan and Gheorghe Gutt Int J Environ Res Public Health. 2021
Wide Spectrum of Active Compounds in Sea Buckthorn (Hippophae rhamnoides) for Disease Prevention and Food Production Agnieszka Jaśniewska and Anna Diowksz Antioxidants (Basel). 2021
「アロマセラピー完全ガイド 」サルバトーレ・バタリア著
「アロマテラピー精油事典」 バーグ文子著